アマチュア・ファクシミリとは







アマチュア・ファクシミリ



アマチュア・ファクシミリは、アマチュア無線でファクシミリを利用して文字を含む画像による通信をすることです。

 大きな枠で考えるとその他に、ファクシミリ機器を製作したり改造したりすること、気象衛星「ひまわり」に代表される人工衛星からのファクシミリ画像を受信すること、あるいは、気象FAXやニュースFAXなどの業務FAX通信を受信することなども含めることができます。



交信と受信



アマチュア無線でファクシミリによる交信をする



 アマチュア無線でファクシミリ通信を行うのにもいろいろな方法があります。アマチュア・ファクシミリ通信として最初に電波監理局(現在の電気通信管理局)から電波形式を認められたときの規格を踏襲するいわゆるアマチュア・モードが第一に挙げられます。次いで未改造GU機をそのまま利用する方法、さらに未改造のミニファクスを利用する方法、そして最近のGV機を未改造で利用する方法です。

 GU機とミニファクスとは異なる部分もあるのですが、GU機の変調方式とミニファクスのMF(ミニファクス)モードが同じなのでここではとりあえずくくることにします。

 アマチュア・モード、GU機とミニファクス、GV機は、それぞれの機器の世に現れた順でもあります。



1.アマチュア・モード


 実際にアマチュア無線用のファクシミリが発売されたこともありますが、非常に高価であったこと、時期尚早であったためほとんど売れずすぐに製造中止になってしまいました。したがってアマチュア無線用のファクシミリというものはないといっていいのです。

 アマチュア無線用ファクシミリは、事務用に使われていた機器を流用することによって行われました。当時の事務用機はAM変調のいわゆる電話FAXモードのものが主流で、これをアマチュアで使うためには、回転数と変調方式をそれぞれ120回転(分)とFMに直す必要がありました。

 なぜ120回転のFM変調かというと、JMHを受信するのが当初の目的でありそのために機器の改造が行われていたからです。受信するなら送信もしたいというわけでアマチュア無線でファクシミリ通信を行うことを考えたからです。

 また、改造した機械の動作確認及び調整するのに交信相手がない当時としては、気象FAXが格好の信号源だったのでこれを利用できるこの方式が選択されました。

 更にはHFでのファクシミリによる遠距離通信を行うにはこれが最適でもあったのです。

 事務用に使用されていたファクシミリの方式とは異なるので、これを流用するためには「改造」が不可欠でした。

 改造済みの機器を販売する業者もなくアマチュア・ファクシミリをやるということはすなわち機械の改造をするということと同義語でした。

 なぜ事務用の機械かというと、これを利用するのがもっとも安価な方法であったからです。当時でも電子回路や機構部の改良が重ねられ新しく発売されるものは操作性が良くなったり、小型化されたりあるいは性能が上がったりという具合に変わりつつありました。リース期間が満了になるとそれまで使用していた機械を処分して新型機を導入するといったことが頻繁に行われていました。この処分された機器は事務用として再利用される場合もありましたが多くは「屑」として廃棄されていました。その廃棄されるものですから、新品時の価格からすればただ同然の価格で我々は入手することができたのです。

 このころの機械は、VF-9、パナファクス2000、で、その後パナファクス1000、ネファックス1000、パナファクス3000、が放出されるようになりそれに合わせて改造方法も順次発表されました。  このようなことからアマチュア・ファクシミリの標準は120回転FM変調方式ということになっています。



2. GU機及びミニファクスのモード

 事務用のファクシミリ機器が普及するにつれ、ファクシミリによる通信量が次第に増えます。それに伴い電話回線の使用料が問題になり始めました。もちろん事務の効率化ということもありますが、通信速度の向上が必要となり、ドラムの回転数をGTモードの2〜3倍に上げたGUモードの機械が開発されました。パナファクス3000の後に我々が入手できるようになったのがパナファクス4500に代表されるこのGUモードの機械でした。これをアマチュアモードに改造する方法が発表されるまでの間未改造のままでアマチュア無線に使用することが試みられ、実際に免許も受けて交信が行われました。

 パナファクス4500のアマチュアモードへの改造方法が間もなく発表されGU機をそのまま使うという方法はあまり普及しませんでした。しかし、その後ミニファクスが出回り始めると様子が変わりました。ミニファクスはアマチュアモードへの改造が困難なため未改造で使用される方が多くなりました。このミニファクスのファインモードがGU機と同じ規格でした。ミニファクスのMFモードはGUと同じ変調方式ですが回転数を1.5倍にし、通信速度を更に上げたものです。UHF帯のFMで、このMFモードによる交信が盛んに行われました。UHF帯でミニファクスといえばこのモードを意味します。

 HF帯でもミニファクスが使われますがこちらでは、電波の伝播状況に合わせて主として電話FAXモードによる交信が行われます。



3. GV機

 GVは現在ホームファクスとして一般家庭にも普及しているファクシミリのモードです。事務用として使用されているのも大部分がこのモードのものです。また、パソコン通信用のモデムファクスもこのモードで動作します。最近のパソコンに内蔵されているモデムファクスも同様です。これらはいずれの組み合わせでも相互に通信することができます。

 GV機をアマチュア無線用に改造することはほとんど不可能です。アマチュア無線でそのまま使うことになります。ただ他のファクシミリ機器でもいえることですが、電話回線からとりはずしてトランシーバーに接続して動作させるためには、簡単なアダプターを用いる必要があります。また、GV機の場合には相互の機械の動作状況を確認するための信号のやりとりがあるので、それにも対応する必要があります。

 内部の改造ではなく、外部にアダプターを接続して、アマチュア無線で使用できるようにします。通信速度もA4判で1分が標準と速いので、HFでの通信には向かず、信号の安定したVFHやUHFのFM波を使ったものに向いています。

 モデムファクスとパソコンを利用するとパソコンのアプリケーションプログラムで作成した画像や文字のデータをそのまま相手のファクシミリに送ることができるので、様々な可能性が考えられます。



気象FAX、ひまわり、ノアやニュースFAXなどを受信する


 前にも述べたように、アマチュア・ファクシミリの初期には気象FAXやニュースFAXが動作確認や調整のための格好の信号源でした。これらユーティリティの受信は、アマチュア・ファクシミリと切り離すことのできないものです。また、一方で単にこれらの信号を受信するという楽しみもあります。あるいは気象状況を知る為の手だてとして実用的に利用することもあります。ニュースFAXについては、契約が必要なため本格的な受信は認められませんが、気象FAXとNOAAの信号は誰でも自由に受信することができます。「ひまわり」からの画像の受信は気象庁に対して簡単な届け出をするだけで受信することができます。

 「ひまわり」の受信方法については、「ひまわり受信ガイドブック」(ファクシミリ・クラブ)に詳しく記してあるのでそ ちらを参照してください。





「アマチュア・ファクシミリ入門」の一部を転載しました。詳しいことについては、「アマチュア・ファクシミリ入門」をご覧ください。


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